α-カロテンは、ユーグレナやカボチャ、ニンジンなどの緑黄色野菜の色素成分であるカロテノイドの一種です。カロテノイドは、肝臓や肺、大腸や皮膚など体のさまざまな組織に存在していますが、体内で自ら作り出すことはできません。
カロテノイドは約600種類もあり、リコピンやアスタキサンチンなども同じカロテノイドの仲間に含まれます。また、空気や熱、光などに弱い特質を持っているので、摂取方法に工夫が必要となります。
カロテノイドは、アルコールに溶ける性質を持つカロテン類とアルコール耐性があるキサントフィル類の2種類に分類されています。α-カロテンは、β-カロテンやエキネノンなどと共に前者のカロテン類に分類されます。
カロテン類の中でもα-カロテンは、摂取すると体内でビタミンAに変化します。このときにできたビタミンは「プロビタミンA」と呼ばれており、皮膚や粘膜を丈夫にしたり視覚を正常化したりするビタミンAと同じ効能を持っています。ビタミンAは過剰摂取が心配されることがありますが、プロビタミンAの場合は体内でビタミンAが不足しているときに必要に応じて変換されるため、過剰摂取となる心配はないと言われています。α-カロテンのプロビタミンAへの変換は、β-カロテンよりも低いことが分かっています。