血液をさらさらにする脂肪?ユーグレナが生み出す必須脂肪酸とは!?
人工的に培養しやすく、さらに異なる環境下で違った栄養分を生成する単細胞生物「ユーグレナ」は、“植物”のように光合成が可能な“動物”として、国内外の企業や研究機関にとってその有用性を追求されています。
さて、ユーグレナが生み出す成分の1つである「多価不飽和脂肪酸」は、別名「必須脂肪酸」とも呼ばれます。
脂肪と言われると、不健康そうなイメージを抱く人が少なくないかも知れません。しかし脂肪には、例えば中性脂肪や悪玉コレステロールの原因となる「飽和脂肪酸」と、反対にコレステロール値などを調節して、血液をさらさらにすると言われる「不飽和脂肪酸」の2種類があります。
また、不飽和脂肪酸はさらに「単価不飽和脂肪酸」と「多価不飽和脂肪酸」とに大別され、そして多価不飽和脂肪酸が持つ「滑腸作用」は、排便のサポート効果があると言われる機能です。
ユーグレナはコレステロール値を下げるのか?
数多くの種類があるユーグレナですが、「ユーグレナ・グラシリスZ」は特に人体に有益だとして期待されています。
さて、そのユーグレナ・グラシリスZを含んだ餌と、乳製品などに含まれるカゼインを含んだ餌を、コレステロールを投与された複数のラットに別々に食べさせて、それぞれの“糞”に含まれるコレステロール量を比較する実験が行われました。尚、カゼインは一般的に、家畜飼料などのタンパク質量を調整する成分として用いられています。
まず、6週間の飼育の結果、ユーグレナを与えられたラットと、カゼインを与えられたラットでは、さほど大きな発育差は見られませんでした。これはつまり、カゼインの代わりにユーグレナを与えても、ラットは正常に発育する証拠と考えられました。
しかし、肝心のコレステロールについては明確な差が現れました。例えば、ユーグレナを与えられて12時間後のラットの糞には、そうでないラットの糞と比べて、60倍ものコレステロールが含まれていたのです。即ち、ユーグレナ・ラットでは、明らかにコレステロールの吸収が抑制され、体外へ排出されていました。
吸収量が減れば、体内での蓄積量も減ります。将来的には、例えばついつい脂っこいものを食べ過ぎた時に飲むような、ユーグレナ・サプリメントなどが普及していくかも知れません。