ユーグレナに含まれるスペルミジンとは？

細胞にとって大切なスペルミジン

スペルミジンはあまり聞きなれない成分かと思いますが、様々な種類がある有機化合物ポリアミンのひとつで、細胞の代謝やたんぱく質の生成に深くかかわっており、近年、長寿にかかわる成分としても期待されています。スペルミジンやポリアミンは、私たちの体でどのような働きをしているのでしょうか。また、この成分が多く含まれる食品や期待される効能はどのようなものなのでしょうか。詳しくみてみましょう。

スペルミジンとポリアミン

人の体にはおよそ20種類のポリアミンが含まれているといわれていますが、その代表的なものがスペルミン、スペルミジン、プレトニンの3つです。そもそもポリアミンは、細胞分裂や細胞の増殖という、生命の根源ともいえる活動に関わっています。ポリアミンがなければ細胞は増殖できません。また、臓器などを形成するための核酸やたんぱく質の合成を促進する効果もあり、前立腺・膵臓・唾液腺など、体内で精子や酵素を作る組織に多く含まれています。出産直後の母親の母乳には、出産から数か月経った母親の母乳よりも多くのポリアミンが含まれており、子どもの成長を促していると考えられます。

ポリアミンには老化を抑制する抗加齢効果があるといわれており、動物実験によると、通常量の2倍程度のポリアミンを投与されたマウスには、加齢に伴う組織変化が抑えられ、寿命が伸びるという効果が見られたそうです。現在も「長寿の秘薬」「夢の若返り物質」として研究が進められています。こうしたポリアミンの効果については、スペルミジンとの共通点も多く見出すことができるでしょう。

スペルミジンの健康効果

スペルミジンの効果についてはまだまだわかっていないことも多く、世界中で研究が進められています。2009年ネイチャー誌にて、細胞生物学分野の記事として取り上げられた論文の中では、ヒトの老化とともに減少していくスペルミジンを人工的に投与すると、細胞の寿命を延ばす効果があることがわかりました。それまでは老化したことでスペルミジンが減っているのか、スペルミジンが減ることで老化が起こるのかがわかっていなかったのですが、これでスペルミジンに延命効果があることがはっきりしたのです。

細胞の延命効果

細胞が老化するメカニズムとして、細胞の中に溜まったゴミ(不要になった物質や、損傷によって残った破片)が蓄積することで細胞の寿命が縮んでいきます。そこで、スペルミジンを投与すると、これらのゴミを取り除くことで細胞がきれいになり、細胞の寿命を延ばすことにつながります。この細胞内の浄化をオートファジーと呼びますが、体内の様々なところでオートファジーが行われることで、アンチエイジングに繋がる、下記の効果が表れると考えられます。

ガンの発生抑制効果

ゴミによって細胞が損傷することで、ガンなどの悪性腫瘍が発生する可能性も高まります。ガンの発生を抑える原因の除去機能も、スペルミジンによって活性することがわかっています。

認知症予防効果

細胞をクリーンアップして延命する効果が脳細胞で発揮されると、認知症の予防も期待できるのではないかと考えられています。

ターンオーバー改善による美肌効果

肌の細胞は、日々入れ替わっています。皮膚の奥で作られた細胞は、次第に皮膚表面へと押し出され、最後は角質として剥がれ落ちます。この入れ替わりをターンオーバーと言い、肌の健康を維持しているのですが、加齢に伴ってターンオーバーの機能は衰えていきます。スペルミジンを補うことで、新しい細胞を作り出す能力を維持し、入れ替わりのサイクルを保ち続けることで、若々しく美しい肌でいることができます。

スペルミジンが含まれる食品

スペルミジンをはじめとしたポリアミンについては、栄養成分としての摂取目安や上限量・必要量などは定められていません。日常の食品や、ユーグレナなどのサプリメントで取り入れるほか、体内で合成することもできます。スペルミジンが含まれている食品には、以下のようなものがあります。

発酵食品

納豆、チーズ、漬物、味噌、ヨーグルトといった、身近な発酵食品に多く含まれているのが特徴です。特に納豆はスペルミジンの含有量が多く、効率的に取り入れることができます。

• ブロッコリー、ピーマンなどの野菜
• 大豆製品、豆類
• きのこ類

また、腸内でポリアミンを合成するためには、肉類に含まれるアルギニンが必要です。他にもビタミン類を一緒に摂ることで、代謝の活性化を期待することができるため、バランス良い食生活をこころがけ、ユーグレナなどの栄養豊富なサプリメントを併用するのも良いでしょう。