ユーグレナ培養の課題

多くの研究者が挑むも、ことごとく失敗

高い栄養価や燃料の材料としての可能性など、ユーグレナの有用性は古くから知られていました。多くの研究者がその培養を試みてきましたが、ことごとく失敗。ユーグレナの培養には、クリアすべき大きな課題があったのです。世界で初めてユーグレナの大量培養に成功したのは、日本のベンチャー企業、ユーグレナ社でした。

屋外で大量培養できない限り実用化は不可能

ミドリムシの培養は非常に難しい課題とされてきました。しかし厳密に言えば、培養すること自体は決して難しくはありません。難しいのは、他の微生物の混入を防ぎつつ培養すること。ミドリムシは食物連鎖の最下層にいる生物のため、他の生物や細菌が1匹でも混入していると、ことごとく補食されてしまうのです。

そこで過去の研究者たちは無菌室での培養に着手。しかしながら、確かに無菌室で培養すれば他の生物に補食されることはないものの、その生産量は1ヶ月でわずか小さじ1杯程度。とても実用化できる技術とは言えないものでした。ミドリムシを実用化するには、屋外における大規模な培養プラントが必要だったのです。

他の微生物の存在が屋外培養を阻む

外での大量培養を阻んだものは、他でもない、ミドリムシ以外の微生物群の存在です。

どんなにクリーンな培養プールであっても、その中には、私たち人間の目には見えないような微生物がたくさん存在しています。彼ら微生物にとって、栄養豊富なミドリムシは格好の食料。わずかでも微生物が混入していると、ミドリムシが幾度となく細胞分裂を繰り返しても補食されてしまい、なかなか増えることはできないのです。これがミドリムシの屋外培養を阻む課題でした。

ついに課題を克服! ユーグレナ社が大量培養プラントを世界で初めて実現

不可能とされてきたユーグレナの屋外培養を、世界で初めて可能としたのが日本のユーグレナ社。いかにして他の微生物を排除するかという発想ではなく、どのような環境にすればユーグレナだけが生きていけるかという発想に切り替え、同社は培養液の研究に着手しました。

そして2005年、ついにユーグレナだけしか生き残れない特殊な培養液を開発し、課題を克服。この理論と技術をベースに、沖縄県石垣島にユーグレナの屋外大規模培養プラントを建設。年間60トンものユーグレナを生産する奇跡のプラントとして、世界中の研究者・企業から大きな注目と賞賛を集めました。

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